【読書レビュー】道路を渡れない老人たち【介護】

暮らし

はじめに

・親や祖父母の介護について考えたい

・介護について学びやすく、前向きに取り組む助けになるような本を探している


道路を渡れない老人たち リハビリ難民200万人を見捨てる日本。「寝たきり老人」はこうしてつくられる

KindleUnlimitedでも読めます。

私事になりますが、私の祖父母は現在、老々介護の状況です。

先日祖母が体調を崩し、2週間ほど入院しました。

私たち夫婦がその間、祖父の世話をすることになったのですが、思った以上に大変で、今まで祖母にかかっていた負担の大きさを感じました。

現在は祖母も退院し、もとの生活に戻ったのですが、「本気で祖父母の介護について考えなくては」と危機感を募らせるきっかけとなりました。

それから、私は介護の関係の本を読み漁りました。

しかし、なかなか考えが深まるような本に出会うことができませんでした

私見ですが、「介護についての本」ということで探すと、介護関係の同業者向けの本や個人の日記の延長のような本が多いと感じました。

そんな中で、今回ご紹介する本は、介護知識0の筆者でも、考えの指針となるような本だと感じましたので、おすすめしたいと思います。

結論

・日本は娯楽・福祉偏重型介護の介護後進国である

・個人の尊厳無視した介助者の態度が老人の自立、身体機能の維持を妨げる

本の内容

この本をまとめると

①老人の身体機能の維持のためのリハビリの重要性

②介護現場での人出不足による寝かせきりが老人の寝たきりを生んでいる

医療と介護の縦割りが適切なリハビリの妨げとなっている

といったこと主張し、老人の尊厳を守るために利用できる公的保険制度の概要などについても説明しています。

感想

※知識0の素人の考えです。介護関連の仕事についている方にご無礼があったら申し訳ありません。

私は「介護」というと、とにかく悪いイメージがあります。

暗い、ややこしい、公的制度が絡んでくるためスピード感がない、申請事もめんどくさい、介護を受ける本人もその家族も誰も嬉しくないLose-Lose、等々。

やはり、申請などを請け負う家族の負担に比して、介護を受ける本人が感じる幸福が少ない(場合によっては嫌がる)のが一番難しいところだと思います。

こういった印象がこの本を読んだから覆ったわけではありませんが、少しは自分の考えが整理でき、「前向きに取り組んでいこう」という気持ちになれたように感じます。

私の介護への偏見

以下は私の偏見です。

介護施設の前を歩くと、中で老人が仲良く歌を歌っているのが見える。

80年以上も生きてきた方々の人生の締めくくりとして、死までの時間を、そんな後ろ向きで気を紛らわすような時間の過ごし方でいいのか。

施設の職員の方も、胸を張ってyesとは言えないと思います。

なぜ、こういった状況が起こるのか、これでいいのか、だれが幸せなのか。

私は介護について、このあたりの考えが整理できていないから、ネガティブな印象が先行し、関わりたくないと思っているのだと思います。

この本を読んでの考えの整理

上記のような状況の方々は、社会で自立して過ごすことが難しいから、そうしているのだと思います。

そして、そうした状況にたくさんの老人がなっているのは、社会の不寛容さや無知によるものなのだと思います。

「迷惑をかけちゃいけないから」という考え(本人も周りも)が身体機能の低下を招き、もっと大きな迷惑な存在になり、最後は施設に預けて関わらずにお終い。

こうなるのはあまりに悲しいと思います。

「不寛容な人を怒らせること」と「親族が認知症になること」。

どちらのほうが悲しいかは比べるまでもないと思います。

不寛容な人には適当に誤っておけばいいですよね。

自分事に話を戻すと

「手間をかけたくない」「逃げたい」ではなく、「自立させる」「歩かせる」

「やってあげる」ではなく、「信じてやらせる」

こういうマインドで、たくさん情報集をして、しっかり対話をして前向きに取り組んでいきたいですね。

どうせ我が身に降りかかる介護

主体的に人を巻き込みながらやったほうが勉強になるし、経験値になります。

最後は自分へのエールのようになってしまいましたが、地に足のついた内容でありながら、そういう気持ちにさせてくれる本でした。

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